2020年12月10日木曜日

日米欧で景気「二番底」 ワクチン普及なお時間、腰折れのリスク再び (1/2ページ)

年末まで持つかどうか? のみなさんもかなりいるような いないような? 新型コロナウイルスの感染者数が再び急増する中、リセッション(景気後退)から脱却したばかりの日米欧の経済が再び腰折れするリスクが高まっている。 救世主として期待を集める新型コロナワクチンの普及にはなお時間を要し、各国が経済活動を犠牲にした規制強化に踏み切る中、世界経済の先行きは不透明感を増している。  当局は楽観論を戒め  米大手金融機関のエコノミストは、日米欧の経済が再び縮小に転じるにはさほど時間はかからないと予想。10~12月期から来年1~3月期にかけてのマイナス成長を見込む。  ブルームバーグ・エコノミクスの高頻度データの指標は景気の二番底を示しており、米国の企業活動の指標は上向いたものの、 11月欧州製造業購買担当者景気指数(PMI)は景気の再下降への懸念を裏付けている。  ワクチン接種が英国で週内にも始まるなど、ワクチンへの期待が高まっているが、当局者らは楽観論にくぎを刺している。  11月21、22日にテレビ会議形式で開催された20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で、 国際通貨基金(IMF)、G20加盟国ともに、ワクチン開発をめぐるニュースが好材料となって株価を押し上げても、景気回復が頓挫する恐れがあると牽制(けんせい)した。  シンガポールのチャン・チュンシン貿易産業大臣は11月下旬、記者団に「ワクチン開発の進展にはかなり興奮するとはいえ 、多くの人々が期待するような迅速な解決策にはならないだろう。十分な量を生産し、世界で相当数に配布し、予防接種を行うには、数年を要さないまでも数カ月はかかる」とコメントした。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長や欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁も、ワクチンへの過剰な期待を戒めている。成長を阻む行動制限を解除できる程度に世界中でワクチンの接種が行われるまでには時間を要する、というのが主な理由だ。  ワクチンの発表自体は市場の楽観的見方を促進する可能性がある。だが、差し当たっては、それをもって経済が再開するわけではない。  こうした状況を受け、ECBは今週10日に予定されている政策決定会合で新たな金融政策の緩和に踏み切る構えだ。一方、FRBは金利を引き下げるために中長期債の購入にさらに力を入れる可能性がある。  かねてより緩和策を実施してきた中央銀行は、金融市場でのバブルを警戒し始めているが、景気悪化への懸念から各国政府には、一段の刺激策を求める圧力が強まっている。  追加緩和の効果懸念  だが、中央銀行が躊躇(ちゅうちょ)なく行動を起こす余地はなくなりつつある。一段の金融緩和が経済押し上げにつながらないという懸念もある。IMFなどの国際機関も、資産価格の上昇は実体経済との乖離(かいり)を示唆しており、金融安定に脅威をもたらす可能性があると警告する。

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