2020年4月17日金曜日

「給料にもならない」 苦境の経営者ため息 千葉県独自コロナ支援策 早く正常に戻すのが、コロナより先か???選択は正常かコロナか 千葉日報社 2020/04/17 12:02 © 千葉日報社 「かくじゅう」の4月の売り上げは94%減の見込み。予約を受け付けた帳簿には、キャンセルの×印が並ぶ=16日、東金市  感染が拡大する新型コロナウイルスの影響で、経営が悪化している中小企業への支援策を千葉県が表明した。「ありがたい」と評価する経営者もいたが、支給額は最大30万円で「従業員の給料にもならない」「経営改善にはつながらない」と、苦境が続く厳しい状況に諦めの声も上がった。  昨秋の台風で甚大な被害を受けた安房地域の事業者からは悲鳴が上がっている。従業員15人の食品加工・販売会社を経営する南房総市の女性(70)は「10万~20万円程度では従業員1人分の給料にもならない。税金を安くするとか、もう少し何とかしてほしい」と嘆く。 新型コロナウイルス特集など、最新情報をモバイルで 詳しくはこちら PR Microsoft ニュース  道の駅で直売所や飲食店を運営する同社。台風被害で長期休業に追い込まれ、売り上げが落ち込んだ。年が明け徐々に回復していたものの、新型コロナの影響で再び客足が途絶えた。当面は金融公庫から資金を借り入れるなどして営業を続けていくというが、女性は「書き入れ時なのに、お客は例年の半分も入っていないと思う。道の駅の売り上げだけではやっていけない」とため息をつく。  市原市に本社を置き、同市と茂原市で生花店2店舗を営む「花茂(はなも)」の大矢みな社長は「正直、(対応が)遅い印象だが、本当に支援が出るのであればありがたい」と前向きに受け止めた。  3月までは卒業式や送別会の自粛のあおりを受けつつも、生花店を支援しようという動きが広がり、打撃は少なかった。一方、百貨店などが絡む大きな取引がなくなったことから、4月は「売り上げがガクンと減り、半分以下になった」。  生花業界はこの時期、本来ならば5月10日の「母の日」を控えた繁忙期を迎える。「一番売り上げが上がる時期なのに…」。不安を口にしながらも、県の支援策が一定の助けになることを期待している。  「5月からの状況がどうなるのか分からない」。従業員約50人の化学機械製造会社を経営する茂原市の男性(72)も、今後の経営状態を不安に感じている。県の支援策は「何もないよりはありがたい」としながらも「規模の小さい会社で売り上げが半減すれば、すぐに倒産につながる。30万円は経営の改善につながる額ではない」と話した。  東金市の飲食店「かくじゅう」の永井清社長(70)は「金額の大小は別にして、県が中小企業を支援する姿勢を見せたことは一定の評価に値する」と話す。  同社は宴会などの団体客が主な客層で、320人まで受け入れることができる。事業規模が大きい分、人件費など固定費もかさむ業態だが、自粛ムードを受け4月の売り上げは前年比94%減と大きく落ち込んでいる。永井社長は「既に国が支援策を検討している。これに千葉県、市と少額ずつでも乗っかってくれれば、全体でそれなりの規模になる」と支援の広がりを期待した。  社員約100人の酒類販売会社「いまでや」(千葉市中央区)の小倉秀一社長(58)は「事業規模によっては固定費をまかなえる可能性もあり、大変ありがたい。しかし、従業員数が多いと1人分の給与程度になってしまう」。同社も売り上げが昨年に比べ約70%減少し、今までにない危機的状況だといい「中小企業にとっては、社員の雇用を守る具体的な補償が必要。終息後の経営も考えなければならない」と指摘した。

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