2020年4月16日木曜日

窮地の比内地鶏、4割減産 リーマン超える落ち込み 「5割減の可能性も…」 毎日新聞 2020/04/16 16:41  新型コロナウイルス感染拡大の余波で、比内地鶏の需要が都心部で大幅に落ち込み一大産地である秋田県大館市などの生産農家がピンチに陥っている。東京の飲食店などからの引き合いが戻るめどは立っておらず、生産農家は従来の生産目標の4割減産まで追い込まれている。関係者は「このままでは比内地鶏ブランドを守れない」と危機感を募らせている。【田村彦志】  秋田県全体で4割の生産を誇るJAあきた北(本店・大館市)の比内地鶏生産部会(27人)によると、現在は1日約800羽を処理・販売業者に出荷しているが、飲食店からの需要が落ち込み、半数以上の約500羽が在庫となっているという。  部会側は3月の役員会で、2020年度の出荷目標約21万羽を2割減の約16万8000羽にマイナス修正。しかし、4月に入って政府の「緊急事態宣言」発令などで全体の8割を消費する関東圏の飲食店での休業や時短営業に拍車がかかり、今月10日の役員会では、当初比4割減の約12万6000羽まで再修正したという。  同部会によると、ここ数年の年間出荷は20万羽以上で推移しており、19年度は約22万羽、販売額は約4億8000万円に上った。過去にはリーマン・ショックの影響で09~11年度に出荷を2割減らしたことがあるが、4割減は初めてという。  同JA関係者らは「割安価格で地元消費を促し、減収を少しでも食い止めなければ」と、市や大館商工会議所など関係団体に協力・支援を求めている。部会長の高橋浩司さん(60)は「このままでは5割減の可能性もあり、生産者がどこまで持ちこたえることができるか。新型コロナウイルスが早期に終息し、関東圏の需要回復を祈るしかない」と険しい表情だ。

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