2020年4月4日土曜日

数学の難問「ABC予想」証明 望月京大教授の論文、学術誌に掲載 2020/04/03 14:10 © 産経新聞社 数学の難問「ABC予想」証明 望月京大教授の論文、学術誌に掲載  数学の重要な未解決問題として知られる難問の「ABC予想」を証明した京都大の望月新一教授(51)の論文が学術誌に掲載されることが決まった。京大が3日、発表した。従来の数学とは全く異なる革新的な理論に基づく論文で、その正しさが専門家による審査で認められた。世界の数学史に残る画期的な業績で、今後の数学の研究に大きな影響を与えそうだ。  望月氏が執筆したのは、4本の論文で構成する「宇宙際タイヒミューラー理論」。自身が所属する京大数理解析研究所が編集し、欧州数学会が発行する権威ある専門学術誌「PRIMS(プリムス)」の特別号に掲載が決まった。  共同編集委員長として審査した柏原正樹特任教授は取材に対し「ABC予想を証明した望月氏の論文が正しいものであると判断した」とコメントした。望月氏は「取材に応じる意向はない」としている。 ABC予想は3つの自然数と、それぞれの素因数について成り立つ関係を示した不等式で、1985年に欧州の数学者が提示した。証明は極めて難しく、実現すれば他の多くの未解決問題も証明できることから、整数論の重要な課題となっていた。  望月氏は平成24年、自身のホームページで宇宙際タイヒミューラー理論を発表。全く新しい概念に基づく独創的な数学理論で、これを使えば重要な未解決問題の「リーマン予想」を証明する糸口が見つかる可能性もあり、欧米の科学誌が「21世紀最大級の数学的成果」と報じるなど世界的な注目を集めた。  論文は計600ページを超える異例の長文。内容は極めて難解で、理解できる数学者がほとんどいなかったため検証に時間がかかっていた。学術誌への掲載というお墨付きを契機に理解者が増えれば、この理論の研究が世界で活発化し、数学に革命的な進歩をもたらすと期待されている。  望月氏はプリムス誌の編集委員長を務めているが、今回は望月氏が関与しない特別の編集委員会を設置して審査した。

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